※本記事は、２０１１年１０月２２日にアメブロで公開した記事を編集したものです。特許業界以外から特許事務所に入所された方が真っ先に口を揃えて言うのは、「静かですね～」という感想です。私は、特許業界に転職する前は大手電機メーカーでエンジニアをしていたのですが、カーステレオの制御プログラムのデバッグとかで、かなり騒がしい環境で仕事をしていました。一日中、音楽がガンガンかかっていましたね。それと、いろいろな場所で開発の打合せの話声。ですので、初めて特許事務所に入所したときは、「びっくりするくらい静かだ...

４月を迎え、ニュース等々で、「昇給」や「ベースアップ（ベア）」の話題が増えてきました。私は、給与を支払う立場ですので、昇給やベアを決めないといけないのですが、弁理士や特許技術者の昇給は、売上実績で決めることが多いかと思います。例えば、年間粗利売上が２０００万円、還元率が５０％の場合、２０００万円ｘ５０％＝年収１０００万円（月収約８３万円）同じ人が売上を３００万円伸ばした場合、２３００万円ｘ５０％＝年収１１５０万円（月収約９５万円）約９５万円ー約８３万円＝約１２万円の昇給が可能経験上、この程度...

私が電機メーカーに勤務していたころは、毎年、労使交渉があり、年間の一時金（ボーナス）は、「月給の何か月分」という感じで決まっていました。基準となる月給は、同期でも、評価や昇格試験等々で全然違いましたので、結果として、ボーナスの支給額にも差がありました。そういう意味では、仕事の成果が反映されるシステムにはなっていましたが、特許事務所ほどシビアではありません。特許事務所の場合、１年間の売上が基準になることが多いかと思います。「（１年間の売上×還元率－月給×１２カ月）÷２」という感じでしょうか。例えば...

最近届いたＤＭで一番気になったのは、「特許事務所の退職金制度」に関するものです。当所も含めて、従業員向けに、「中退共（中小企業退職金共済）」に加入している特許事務所も多いかと思います。＃従業員向けの退職金制度を用意していない＃特許事務所もありそうですが…ここ数日、「中退共」に加えて、「弁理士企業年金基金」の加入を検討し始めました。私どものような小規模な特許事務所では、単独で企業年金基金を用意することはできませんので、福利厚生として用意できるのは、厚生年金まで。従業員にとっては、厚生年金の上乗せ...

中小企業庁の集計によると、約４割の個人事業主が、開業１年で廃業し、以降、　開業３年で６割、　開業６年で８割、　開業１０年で９割が廃業するそうです。詳しくデータを見てみると、開業１～５年目の生存率は６２．３％　→　４７．３％　→　３７．６％　→　３０．５％　→　２５．６％と変化しているので、「独立開業後の５年間を　何とか乗り切ること」が一つのポイントになりそうです。なお、法人の生存率も同じような傾向がありますが、個人事業主は、「法人よりも生存率が低く、かつ、安定に要する期間も長い」という傾向がある...

明日は我が身ではありますが(^^;企業の特許出願数停滞やコスト削減要求から経営難に苦しむ中小特許事務所が増加しているようです。結果、日本弁理士会の収入源となっている会費（月額15,000円）の未納が無くならず、日本弁理士会は、知財経営センターの人員を大幅削減（170人→120人）するようです。http://sightip.jp/pt_intnews/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%bc%81%e7%90%86%e5%a3%ab%e4%bc%9a%e3%80%8c%e7%9f%a5%e7%9a%84%e8%b2%a1%e7%94%a3%e7%b5%8c%e5%96%b6%e3%82%bb%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%80%8d%e3%82%92%e3%82%b9%e3%83%aa%e...

三大銀行の大量リストラ等々、第四次産業革命による社会への影響が予想以上に早く進んでいると感じています。このような第四次産業革命の波は、一般企業だけではなく、我々の特許業界にも確実に及びます。「大手企業からの下請け」という、今までの特許事務所のビジネスモデルを大きく見直す必要性がありそうです。rakuten_design="slide";rakuten_affiliateId="101a1096.732ac304.101a1097.1a8c1ee6";rakuten_items="ctsmatch";rakuten_genreId="0";rakuten_size="300x250";rakute...

日本弁理士会の資料によれば、弁理士に対する苦情の半数以上が「手続の不備に関する苦情」と「報酬額に関する苦情」だそうです。例えば、補正によって権利範囲が狭くなり、本来望んでいた内容と違ってしまったというケースや、弁理士側は「出願時の費用」と伝えたつもりが、依頼者側は「登録まで全て込みの費用」と受け取ったケース、などです。最大の発生原因は、依頼者とのコミュニケーション不足で、弁理士と依頼者との間で誤解が生じることが多いようです。弁理士にとっては当然のことでも、お客様には不明なことも多いので、お客...

特許庁ＨＰに掲載されている統計速報によると、昨年２０２０年１月～１０月の特許出願の件数は、前年比５．９減。意匠と商標は、いずれも前年比３．２％減。＜特許庁ＨＰより引用＞ちなみに、２００８年９月のリーマンショック後の２００９年も、特許出願の件数が大きく減少しました。＜特許庁ＨＰより引用＞昨年２０２０年の世界経済の成長率は、推定マイナス４．３％リーマンショック後の２０１９年の１．７％減を大きく上回ります。『コロナは、　リーマンショックよりも影響が大きい』という声も多いので、今年２０２１年は、特許...

１．弁理士ってどんな仕事？２．弁理士の１日３．弁理士費用の目安４．弁理士に依頼するメリット５．弁理士を選ぶ場合のポイント１．弁理士ってどんな仕事？アイデア（発明）、デザイン（意匠）、マーク（商標）が既に登録されていないかを調査したり、特許庁への特許出願手続や商標登録出願手続を代理したりすることが主な仕事です。※特許庁HPより引用例えば、特許権を取得するためには、特許出願の書類（特許明細書や図面）や、審査結果に対する書類（意見書、補正書）などを作成する必要があります。しかしながら、これらの書類を作...

弁理士の典型的なキャリアパスは「特許事務所系」と「企業知財部系」の２種類に大別できると思います。■「特許事務所系」の典型例理系の大学を卒業（技術を勉強）↓企業で研究開発などに従事（技術を経験）↓特許事務所に転職（２０代後半～３０代前半）（年収：３００万円～６００万円ぐらい）↓弁理士試験に合格して勤務弁理士に（３０代半ば～４０代半ば）（年収：３００万円～１５００万円ぐらい（←能力による））↓　　　　　　　　　　　　　　　↓↓　　　　　　　　　（勤務弁理士として活躍）↓独立開業、共同経営（３０代半ば～４０...

最近、所員の評価方法を見直しているのですが、以前に受講した「特許事務所　経営塾」の資料を読み返しています。手持ちの資料では、弁理士（特許技術者）のランクを、ランク６　個人年間粗利４０００万円以上ランク５　個人年間粗利３０００万円以上ランク４　個人年間粗利２４００万円以上ランク３　個人年間粗利１８００万円以上ランク２　個人年間粗利１２００万円以上ランク１　指導を受ける過程の６つに分類しています。以前にブログに書いたことがあるのですが、「個人年間粗利２０００万円以上が一人前の弁理士」とおっしゃる...

特許庁ＨＰで「令和２年度弁理士試験論文式筆記試験合格者統計」が公表されました。最終合格者数は、ほぼ予想通りになりそうです。https://sightpat-kawagoe.jp/blog/2021/01/28/%e4%bb%a4%e5%92%8c%ef%bc%92%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e5%bc%81%e7%90%86%e5%a3%ab%e8%a9%a6%e9%a8%93%e3%81%ae%e6%9c%80%e7%b5%82%e5%90%88%e6%a0%bc%e8%80%85%e3%81%af%e3%83%94%e3%83%bc%e3%82%af%e6%99%82%e3%81%ae/その他の感想としては、受験回数２０回以上の受験生が、昨年同様、０名になったこと、会社員の比率が高くなっていること、くらいでしょうか。...

４月を迎え、ニュース等々で、「昇給」や「ベースアップ（ベア）」の話題が増えてきました。私は、給与を支払う立場ですので、昇給やベアを決めないといけないのですが、弁理士や特許技術者の昇給は、売上実績で決めることが多いかと思います。例えば、年間粗利売上が２０００万円、還元率が５０％の場合、２０００万円ｘ５０％＝年収１０００万円（月収約８３万円）同じ人が売上を３００万円伸ばした場合、２３００万円ｘ５０％＝年収１１５０万円（月収約９５万円）約９５万円ー約８３万円＝約１２万円の昇給が可能経験上、この程度...

私が電機メーカーに勤務していたころは、毎年、労使交渉があり、年間の一時金（ボーナス）は、「月給の何か月分」という感じで決まっていました。基準となる月給は、同期でも、評価や昇格試験等々で全然違いましたので、結果として、ボーナスの支給額にも差がありました。そういう意味では、仕事の成果が反映されるシステムにはなっていましたが、特許事務所ほどシビアではありません。特許事務所の場合、１年間の売上が基準になることが多いかと思います。「（１年間の売上×還元率－月給×１２カ月）÷２」という感じでしょうか。例えば...

Googleの検索欄に「弁理士」と入力すると、最初に表示される関連ワードは「年収」です。弁理士の年収に関心のある人が如何に多いかが分かります。「弁理士　年収」でヒットする記事を少し見てみましたが、事務所経営or勤務、事務所の規模等の条件ごとに、丁寧に説明している記事もありました。私が特許業界に転職した頃は特許業界に関する情報は少なかった記憶がありますが、今は情報が豊富ですね。同じような記事を書いても何の役に立たないので、実体験をもとに、違う視点から１つ記事を書いてみます。私のキャリアは、電機メーカー...

とあるHPでたまたま拝見したのですが、弁理士は、実績、評判、専門性の３つの条件が揃っていれば「儲かる」そうです。「儲かる」という言葉はあまり好きではないですが、上記３つの条件が揃っていれば、「サービス業の中でも　トップクラスの対価は頂ける」と、私も思います。「実績」は、実務経験を積んだ上で結果を残すしかないですね。１年や２年でできることではないと思います。実績の指標ですが、特許査定率などはお客様の方針などにも左右されるのでほとんど判断指標にならないと思っています。一方、意見書・補正書などの中間...

「給与や福利厚生等の待遇に満足できる仕事」ランキングの第３位に「弁理士」が入りました。いや、正確に言うと、「弁護士・弁理士」が第３位に入りました。※ITmedia ビジネスオンラインより引用http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1803/20/news120.htmlネットでは、弁理士に関するネガティブな情報を流す人が散見されますが、現実の世界では、弁理士に対する待遇が良くなっているのかもしれませんね。人手不足の特許事務所も多いようですし。それと、第２０位に、『職種「特許・知的財産」（管理・事務）』とあります。これ...

守秘義務を負っているので書けないことばかりなのですが、お客様の案件が、とても良い方向に進んでおり、競合相手の製品を排除できる内容で特許が取得できそうです。ターゲットの競合製品が特になく、単に特許の取得だけを目指すだけなら、弁理士業務としては、比較的容易です。でも、現在進行中の案件は、競合製品が明確に定まっています。お客様と一緒になって、競合相手の出方（設計変更等々）をいろいろ予測しつつ、競合製品を牽制することができ、かつ、審査が通るように権利範囲を定めていく。まさに、弁理士冥利に尽きる作業で...

最新号の週刊ダイ○モンドに「ランキングで知る、あなたの残業・職業」という記事が載っていました。弁理士に関する情報もいくつか載っており、弁護士、弁理士、司法書士等の長時間労働ワーストランキングは、１５位だそうです。週６０時間以上働いている割合が９．３％とのこと。週６０時間だと、１２時間／日　×　平日５日、１０時間／日　×　平日５日＋休日１日というペースですから、弁理士は、もう少し割合が多いのではないか、と、個人的には感じています。ちなみに、ワーストランキングの１位は、トラック、バス、タクシー等のド...

※本記事は、２０１０年５月２８日にアメブロで公開した記事を編集したものです。先日、弁理士試験の勉強を始めた頃に言われた「弁理士という仕事はストレスが少ない仕事だから・・・」という言葉を、ふと思い出しました。確か、某受験機関の初学者向けガイダンスで、弁理士先生がおっしゃっていたんだと思います。その弁理士先生曰く、「医者や弁護士は人と直接かかわる仕事が主だからストレスがたまるけど、弁理士はデスクワーク中心だから・・・」みたいなことをおっしゃっていました。確かに、そういう部分もあるのですが、実際に弁...

最近、過労死等々の労働問題がクローズアップされ、働き方改革が進んでいますね。同じ「士業」においては、過払い金請求のバブルが終わった「弁護士」が、労働問題に流れ込んできているとか、「社労士」バブルが到来するとか、巷では、いろいろ言われています。さて、話題を戻して・・・ここ数か月、「弁理士は、ワークライフバランスがとりやすい職業」だなと、身をもって感じました。いや、正確に言うと、「弁理士は、ワークライフバランスがとりやすい環境を作ることができる職業」と、いうことになるかもしれません。「弁理士」と...

※本記事は、２０１１年１０月２２日にアメブロで公開した記事を編集したものです。特許業界以外から特許事務所に入所された方が真っ先に口を揃えて言うのは、「静かですね～」という感想です。私は、特許業界に転職する前は大手電機メーカーでエンジニアをしていたのですが、カーステレオの制御プログラムのデバッグとかで、かなり騒がしい環境で仕事をしていました。一日中、音楽がガンガンかかっていましたね。それと、いろいろな場所で開発の打合せの話声。ですので、初めて特許事務所に入所したときは、「びっくりするくらい静かだ...

とあるサイトを見て知ったのですが、「特許庁」って、ホワイト企業（働きやすい職場）のランキングで上位に入っているんですね。とあるサイトでは、ランキング６位、別のサイトでは、グーグルに並んでランキング２位でした。特許庁の職員が全員、審査官というわけではありませんが、任期付審査官の人気が高い理由が少し分かった気がします。一方の特許事務所は、とある有名掲示板で、「ブラック特許事務所」のスレッドが立つくらいで、働きにくい職場の方が多そうですね(^^;私が勤務弁理士時代にお世話になったところは、ホワイト特許...

特許事務所の業務は、専門性が必要な仕事と、そうでない仕事に大別することができます。前者は、主として弁理士が行い、翻訳者、図面作成者等々が補助します。後者は、いわゆる特許事務が行うのが一般的です。ただ、２種類の仕事の線引きは、事務所によって様々です。翻訳や図面作成等の専門性を有する特許事務もいらっしゃいますので、このような方々の業務範囲は自ずと広がります。私が以前に勤務していた特許事務所の特許事務さんが、まさにそうでした。結局、事務所の弁理士や所員のスキルによって業務範囲が変わるのですが、適材...

思うところあって、特許事務を１名、募集しようかなと考え始めています。「川越みたいな地方には誰も来ないよ」と思われがち？ですが、経験上、結構な人数の応募があります。埼玉県から東京都内に通勤・通学する「埼玉都民」は、全国第一位だった頃に比べて、徐々に減っているようですので、地元で働きたいという埼玉県民も多いのかもしれません。私も、仕事で都内に出掛けますが、いつも、地元に戻ってくると、「都会は疲れる(-_-;)」と感じます。どこか忙しなく感じるんですよね。話を元に戻して…某弁理士先生が、「人材採用に必要な...

特許出願は早い者勝ちのため、弁理士業務には、常に「スピード」が求められます。そんな環境が影響しているのかどうか分かりませんが、弁理士だけで物事を進めると、結論に達するまでの時間が早い気がします。弁理士業務とは関係ありませんが、先日、弁理士だけの飲み会の日程調整が２件ありました。どちらも、幹事が案内を出した当日に、日時と場所がほぼ決まりました。プライベートで、この種の案内を出すと、返事が遅い（もしくは、返事をくれない）人が一人はいたりしますけど。きっと、弁理士業務も同じように、スピーディーにこ...

そろそろ決めないといけないですね、冬のボーナス支給額。大手企業の今冬のボーナスの平均支給額は、約９３万円で、２年連続で過去最高を更新したとのこと。「内部留保に回すお金があるなら、もう少し増額しても良いのでは？」というのが私の感想です。もちろん、月給等も含めた年収ベースで考えないと判断はできませんが。経団連曰く、「業種によっては業績が悪化している」そうですが、特許業界は如何なものでしょうか？弁理士や特許技術者は、「売上」という、目に見える成果があるので、客観的な評価がし易いのですが、特許事務は...

当所の休みは、基本的に暦通りなのですが、一応、「夏季休暇」と呼ばれるものがあります。スタッフは、夏季３か月の期間中に、所定日数、自由に休暇を取得することができます。一方、経営者は、就業規則に縛られないので本来はスタッフよりも自由でよいはずですが、残念ながら、開業以来、スタッフの休暇を避けて自分の休暇を取得するスタイルになっています。特許事務所を経営している他の弁理士先生も同じような状況かと思います。そんな状況ですので、夏休みが１０月近くになることも多く、ほとんど「秋休み」になります。加えて、...