1.弁理士ってどんな仕事?
2.弁理士の1日
3.弁理士費用の目安
4.弁理士に依頼するメリット
5.弁理士を選ぶ場合のポイント
1.弁理士ってどんな仕事?
アイデア(発明)、デザイン(意匠)、マーク(商標)が
既に登録されていないかを調査したり、
特許庁への特許出願手続や商標登録出願手続を代理したり
することが主な仕事です。
※特許庁HPより引用
例えば、特許権を取得するためには、
特許出願の書類(特許明細書や図面)や、
審査結果に対する書類(意見書、補正書)など
を作成する必要があります。
しかしながら、これらの書類を作成するためには、
特許法や審査基準などの
専門的な知識が必要になります。
弁理士は、専門的な知識や経験に基づき、お客様に代わって、
各種書類の作成や特許庁への申請を行います。
2.弁理士の1日
私の平均的なタイムスケジュールです。
4:00 起床
6:00 業務開始
9:00-17:30 (事務所の営業時間)
19:00 業務終了
20:00 自宅
23:00 就寝
業務時間(私の場合は約12時間)のほとんどは、
特許出願の書類(特許明細書や図面)を作成したり、
特許出願の審査結果に対する書類(意見書、補正書)
を作成したりするなど、のデスクワークが占めています。
残りの時間は、お客様との新たな出願の打合せや、
お客様からのお電話やメールの対応などの作業を
行っています。
特許庁への書類の提出や特許庁からの書類の受領は、
オンライン(インターネット)や郵送で行いますので、
書類の提出や受領のために特許庁に出向くことは
ほとんどありません。
私の場合、特許庁に行くのは審査官面接を行うときぐらいです。
外出はそれほど多くありませんが、
新たな出願の打合せのためにお客様の会社や工場を訪問することもあります。
3.弁理士費用の目安
ご自身で全ての手続を行う場合、出願から登録までの費用は、
特許が約20万円、
実用新案が約2万円、
意匠が約4万円、
商標が約5万円
です。
一方、弁理士に手続を依頼する場合、上記費用に加えて
弁理士費用が必要になります。
弁理士費用は特許事務所によって異なりますが、
出願から登録までの弁理士費用は、
特許、実用新案が約50~80万円、
意匠、商標が約10~40万円
ぐらいです。
(注)出願内容によって異なりますので、
一つの目安として考えてください
4.弁理士に依頼するメリット
<メリット1:強い権利を取得することができる>
特許や商標の権利範囲は、出願書類などの内容によって
ほぼ決まってしまいます。
すなわち、せっかく考えた発明や商標を生かすも殺すも
各種書類の出来次第です。
弁理士は、専門的な知識や経験に基づいて、
「どうしたら広い権利が取得できるか」を常に考えて
各種書類を作成します。
<メリット2:迅速な権利化が可能である>
上述のとおり、
各種書類の作成には専門的な知識が必要ですので、
知識の習得から始めた場合、書類作成には
相当の日数がかかります。
しかしながら、出願は早い者勝ちですので、
書類を迅速に準備して、迅速に出願を行う必要があります。
強い権利を取得するためにも、
また、迅速に権利化を図るためにも、
早い段階で弁理士に相談・依頼することをお薦めします。
5.弁理士を選ぶ場合のポイント
<ポイント1:得意分野、取り扱い業務>
弁理士業務は多岐に亘りますので、弁理士の得意分野や
取り扱い業務も様々です。
意匠や商標を専門に取り扱う弁理士や、
特許の中でも化学分野のみを専門に
取り扱う弁理士もいます。
したがいまして、
まずは弁理士の得意分野や取り扱い業務を調査し、
ご自身の要望に合致する弁理士に依頼することをお薦めします。
なお、弁理士の得意分野や取り扱い業務は、
日本弁理士会の「弁理士ナビ」を使って調べることができます。
<ポイント2:実務経験、実績>
有効な権利を取得するためには、法律に関する知識のみならず、
実務経験によって培われる知識も必要です。
したがいまして、弁理士の実務経験や過去の実績などを調査し、
十分な経験や実績のある弁理士に依頼することをお薦めします。
弁理士の評価指標としては、
「実績」、「評判」、「専門性」の3つの条件が
重視される傾向もあるようです。
なお、弁理士の実務経験年数や取扱分野情報は、
日本弁理士会の「弁理士ナビ」を使って調べることができます。
<ポイント3:特許事務所の規模>
特許権などの有効期間は20年などの長期にわたります。
したがいまして、弁理士の死亡や病気などを考え、
弁理士が2名以上在籍している特許事務所を選ぶなど、
信頼性の高い弁理士(特許事務所)に依頼すること
をお薦めします。
上記<ポイント1>とも関係しますが、
弁理士が2名以上在籍している特許事務所であれば、
対応可能な技術分野や取り扱い業務も広がりますので、
その点でも安心です。
また、特許などの各種手続の期限は法律で決められており、
特許事務所においては期限管理業務は極めて重要です。
小規模な特許事務所では、コスト面の問題から、
期限管理ソフトを導入していない場合や、
期限管理のサポートを行う特許事務を
雇用していない場合もあり、
期限管理業務に不安が残ります。