弁理士独立開業マニュアル(8)「回収できない未払金」

上記記事の続きです。

前回の記事では、

「特許事務所は、
 売掛サイトが長い」

「キャッシュフローの設計を
 入念に行うのがベター」

という内容を書きました。

売掛金や立替金が増えても、
支払期日までにきちんと入金があれば、

お金の出入りがあるだけですので、
事務所はうまく回ると思います。

ただ、
「支払期日までにきちんと入金があれば」 
が前提です。

開業間もない頃は、
大口・大手のお客様を獲得した幸運な先生を除き、

一般に、
中小企業や個人発明家からの単発業務が
メインになることが多いかと思います。

そうなると、
必ずと言って良いほど発生するのが
費用に関するトラブルです。

ディスカウント要求はもちろんのこと、

支払の遅滞や、
最悪の場合、費用の未払いも
発生します。

要因は、経営状況の悪化、倒産など、
様々です。

私の場合、

お客様に恵まれているのと、
お客様を選ばせて頂いていることもあり、

開業以来、
支払い遅滞や未払金の発生はほぼ無いのですが、

それでも未払金は0円ではありません。

聞いた話では、
未払金が数百万円単位になることもあるようですので、

そうなると死活問題です。

弁理士手数料は、
「授業料」として割り切ることもできるのですが、

立替金は、
お客様に代わって特許庁に納めている費用ですから、

未払いは看過できないと思います。

着手金として、
費用の全部あるいは一部を
事前に受け取るようにしている事務所もありますが、

お客様によって、
そのような対応をとるのが安全かもしれません。

個人的には、
費用のトラブルを避けるためには、

お客様の質を見抜く「目利き」も
重要かと思っています。

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