外国商標調査について

なぜ、外国の商標調査が必要なのか?

「商標」を付した商品を外国で販売したり外国に輸出したりする場合には、その「商標」が外国で合法的に使用できるかどうか、

すなわち、外国で既に登録されている商標に抵触しないかどうか、を事前に調査する必要があります。

このような目的で行う調査を、「侵害予防調査」などと呼びます。

また、外国において「商標」の盗用や模倣を防ぐためには、その「商標」が外国で既に登録されていないかどうかを事前に調査した上で、外国において商標登録出願を行う必要もあります。

このような目的で行う調査を、「出願前調査」などと呼びます。

 外国の商標の調査方法は?

外国において商標の「侵害予防調査」や「出願前調査」を行う場合には、下記の方法が考えられます。

(方法1)外国の弁理士等に直接、調査を依頼する

メリット:現地の弁理士等が現地の言語で調査を行うため、調査の信頼度が高い。
デメリット:言語や時差の問題があり、調査対象の国が多くなると依頼先が増えるため、費用が高くなり手間もかかる。

(方法2)日本の弁理士等を介して、外国の弁理士等に調査を依頼する

メリット:(方法1)に比べ、言語や時差の問題がなく、窓口が一箇所で済むため、手間がかからない。
デメリット:(方法1)に比べ、日本の弁理士費用や翻訳費用等が加算されるため、費用が高くなる。

(方法3)日本の弁理士等に調査を依頼する

メリット:(方法1),(方法2)に比べ、外国の弁理士等の費用や翻訳費用等が削減できるため、費用は安くなる。
デメリット:(方法4)に比べ、信頼度は高いが、日本の弁理士等の経験、語学力、調査スキル等によって調査の信頼度が異なる。

(方法4)自力で調査を行う

メリット:外国や日本の弁理士費用等が不要なため、最も安価に調査を行うことができる。
デメリット:前提条件として、経験や知識が必要である。また、調査担当者の経験、語学力、調査スキル等によって調査の信頼度が大きく左右される。

 結局、どの調査方法が一番良いの?

(1)費用も時間も十分にあり、外国の弁理士等とのネットワークをお持ちの場合には、迷うことなく、(方法1)を選びましょう。

(2)費用や手間を抑えつつ、信頼度の高い調査を望む場合には、(方法2)を選びましょう。

 ワンポイントアドバイス
当所は、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、大洋州、北米・中南米の弁理士等とのネットワークがありますので、当所の弁理士は、外国の弁理士等に調査を依頼するとともに、調査結果の翻訳、チェック、取り纏め等を行うことができます。
まずはご相談ください。

(3)可能な限り費用や手間を抑えたいが、自力での調査ができない場合には、(方法3)を選びましょう。

 ワンポイントアドバイス
当所の弁理士は、外国の商標調査の経験が豊富で、英語や中国語を使って、自ら外国の商標調査を行うことができます。
まずはご相談ください。

(4)費用を一切かけたくない場合には、(方法4)で頑張ってください!
参考までに、当所の弁理士が良く利用する無料DB(データベース)の情報を提供します。

外国商標調査に使える無料DB

(1)Global Brand Database
URL:http://www.wipo.int/branddb/en/

<概要>
「Global Brand Database」は、世界知的所有権機関(WIPO)が保有する世界最大級の商標データベースです。2015年1月から日本の商標登録出願の情報も反映されていますので、日本と諸外国の商標を一括検索することができます。また、検索したい図形のイメージファイルを入力することにより、類似の図形商標が検索できる画像検索も可能です。

<調査可能国> ※2017年12月現在
日本、米国、オーストラリア、カナダ、シンガポール、ニュージーランド、スイス、フィリピン、デンマーク、イスラエル、モロッコ、エジプト、カンボジア、エストニア、アラブ首長国連邦、オマーン、アルジェリア、メキシコ、パプアニューギニア、韓国、トンガ、ブルネイ、欧州連合、インドネシア、国際登録(マドプロ)、ドイツ、ヨルダン、ラオスほか

(2)TM View
URL:https://www.tmdn.org/network/

<概要>
「TM View」は、OHIM(欧州共同体商標意匠庁)が無料で提供する、商標出願、登録商標の検索及び詳細情報の照会を一括して行うことができる情報提供サービスです。2015年11月から日本の商標登録出願の情報も反映されていますので、日本と諸外国の商標を一括検索することができます。また、日本語の検索画面が用意されていますので、日本語での商標検索も可能です。

<調査可能国> ※2017年12月現在
日本、オーストリア、ブルガリア、ベネルクス、カナダ、スイス、キプロス、チェコ共和国、ドイツ、デンマーク、エストニア、スペイン、フィンランド、フランス、英国、ギリシャ、クロアチア、ハンガリー、アイルランド、アイスランド、イタリア、韓国、リトアニア、ラトビア、モロッコ、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、マルタ、メキシコ、ノルウェー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、ロシア連邦、スウェーデン、スロベニア、スロバキア、チュニジア、トルコ、米国、OHIM、WIPOほか

(3)ASEAN TM View
URL:http://www.asean-tmview.org/tmview/welcome.html

<概要>
「ASEAN TM View」は、(2)「TM View」のASEAN(東南アジア諸国連合)版です。ASEAN諸国を対象とした英語等での商標検索が可能です。

<調査可能国> ※2017年12月現在
ブルネイ、インドネシア、ラオス、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、カンボジアほか

(4)各国特許庁DB
諸外国の特許庁のDBも商標調査に使うことができます。
<参考:特許庁「諸外国の特許庁ホームページ」>
URL:https://www.jpo.go.jp/toppage/links/others.html

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